令和8年度診療報酬改定・訪問看護の主な変更点まとめ
結論:令和8年度改定(告示74号等、令和8年6月1日適用)の訪問看護分野は、(1)賃上げ・物価対応、(2)包括型訪問看護療養費など同一建物・高齢者住まい向け訪問看護の再編、(3)精神科対応の機能強化型4の新設、(4)適正化(運営基準の改正・記録の厳格化)の4本柱です。
出典:令和8年度診療報酬改定の概要【訪問看護ステーション向け】(厚生労働省保険局医療課)、保発0305第19号
Q. 新設されたものは?
- 包括型訪問看護療養費(区分04):高齢者向け住まい等に併設・隣接するステーションが、届出建物の利用者(別表第7・第8・特別訪問看護指示)に24時間体制で頻回訪問を行う場合の1日当たり包括報酬。1日の訪問時間と単一建物居住利用者数に応じ5,960円〜15,510円
- 機能強化型訪問看護管理療養費4:9,030円(月の初日)。常勤看護職員4人以上・24時間対応体制加算の届出に加え、精神障害を有する者のうち重点的な支援を要する者の受け入れや地域連携の実績等が要件
- 訪問看護物価対応料(区分08):物価対応料1は月の初日60円・2日目以降20円(1日につき)、包括型算定者向けの物価対応料2は20円。令和9年6月以降は所定額の100分の200
- 訪問看護医療情報連携加算:1,000円(月1回)。ICTで記録された診療情報等を活用して計画的な管理を行った場合の評価
- 訪問看護遠隔診療補助料(区分06):2,650円(月1回)。主治医のオンライン診療に際し、緊急に看護職員が居宅で診療の補助を行う「D to P with N」の評価
Q. 見直されたものは?
- 訪問看護管理療養費:月の初日を増額(イからニ以外7,710円、機能強化型1は13,760円)。月の2日目以降は旧1・2を統合して届出不要とし、単一建物居住利用者数(20人未満3,010円など)と訪問日数で細分化
- 訪問看護ベースアップ評価料:(I)780円→1,050円、対象職員を「勤務する職員」へ拡大。継続的に賃上げを行うステーションは1,830円、令和9年6月以降はそれぞれ2,100円・2,880円
- 訪問看護基本療養費(II)等(同一建物):人数・日数に応じた細分化。「30分以上を標準とし、20分を下回らない」適切な訪問時間の規定、同一敷地内の建物も同一建物とする扱いに
- 特別地域訪問看護加算:特別地域内のステーションが特別地域の利用者を訪問する場合、片道30分以上かつ往復+実施時間の合計2時間30分以上でも対象に(過疎地域等への配慮)
- 別表第8:第2号に「在宅難治性皮膚疾患処置指導管理」を追加(週4日以上の訪問等の対象に)
- 乳幼児加算:1,300円→1,400円(厚生労働大臣が定める者は1,800円のまま)
Q. 適正化・運営面の変更は?
- 運営基準(平成12年厚生省令第80号)に「適正な手続の確保」「健康保険事業の健全な運営の確保」「経済上の利益の提供による誘引の禁止」「特定の主治の医師及び特定の事業者等への誘導の禁止」を新設
- 療養担当規則に、保険医療機関が特定の訪問看護ステーション等への誘導の対償として財産上の利益を収受することの禁止規定を新設
- 訪問看護記録書に実際の訪問開始時刻・終了時刻の記載、指定訪問看護の内容に係る評価の記載を明確化。訪問看護記録書・指示書・計画書・報告書等の記録整備(完結の日から2年間保存)と安全管理体制の確保を義務化
Q. いつから適用ですか?
告示74号は令和8年6月1日から適用されています(保発0305第19号 前文)。一部には経過措置があり、例えば訪問看護医療情報連携加算等のウェブサイト掲載要件は令和8年9月30日まで、包括型の地域連携実績要件は令和9年5月31日までみなし規定があります(基準告示 経過措置)。
参考資料
- 令和8年度診療報酬改定の概要【訪問看護ステーション向け】(厚生労働省保険局医療課)
- 令和8年度診療報酬改定の概要 9.質の高い訪問看護の推進
- 訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第74号)
- 訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(保発0305第19号)
- 訪看ペディアの参照資料一覧
本記事は公的資料に基づく参考情報です。算定の最終判断は保険者・地方厚生局等にご確認ください。
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